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ノミにはイヌノミ、ネコノミ、ヒトノミなどたくさんの種類がいますが、現在日本では主にネコノミがワンちゃんにもネコちゃんにも寄生します。ノミの成虫は動物の体に寄生して吸血、産卵を行いますが、卵や幼虫、サナギはワンちゃんやネコちゃんの体から落ちて、じゅうたんや畳の中、部屋の隅などに潜んでいます。成虫は氷山の一角で、成虫が5匹いれば卵、幼虫、さなぎが95匹いるといわれています。そのため、成虫だけを駆虫・予防するのではなく、ワンちゃんやネコちゃんの周辺にいる『ノミ予備軍』も駆除することが大切です。
ノミの繁殖には高温多湿の環境が適しているため、春から夏はノミが一番繁殖しやすい季節ですが、最近ではエアコンや加湿器などによって室内の温度や湿度が比較的一定に保たれていますので、寒い冬でもノミにとって室内は繁殖するのに十分な環境で、ノミの繁殖は1年中可能になってきています。一般的にノミは15℃以上で繁殖できます。また、環境が悪くても、さなぎの状態で約1年は越冬できることも分かっています。そのため、暖かい季節だけでなく、1年中の対策が必要です。
ノミは、卵→幼虫→さなぎ→成虫という形で発育します。
一般的な条件では3~4週間でこのサイクルを繰り返しますが、卵やさなぎは乾燥や低温、殺虫剤に強く、環境が悪いと環境が良くなるまでじっと卵やさなぎの状態で待っています。
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成虫 |
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さなぎ |
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卵 |
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幼虫 |
ノミに刺されることによる痒みはワンちゃんにとってもかなりのストレスになります。中には痒みから満足に寝ることもできずに睡眠不足になったり、ストレスから体調を崩してしまう子もいます。
ノミがワンちゃんの体に寄生すると、激しい痒みのために引っ掻いたり噛んだりして、その時できた傷口から細菌などが感染して皮膚炎を起こします。また、ノミの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こすことがあり(ノミアレルギー性皮膚炎)、さらに激しい痒みと、背中からシッポの付け根にかけて脱毛し茶色のブツブツが特徴です。ノミに対してアレルギーを持っている子はノミが1匹でも寄生しただけでノミアレルギー性皮膚炎を起こしますので、しっかりと予防してあげることが必要です。ノミは人も刺すことがあり、激しい痒みや発疹を起こすことも少なくありません。
ノミは動物の血液を吸って栄養を得て、産卵を繰り返しています。大量のノミが寄生すると吸血によって貧血になることがあります。
ノミの吸血によって感染はしませんが、痒みのために皮膚を噛んだり舐めたりしたときに一緒にノミも食べてしまうことがあります。それによってノミの体内にいる条虫の卵がワンちゃんに感染します。瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)は検便検査では見つけにくく、肛門周囲に白い米粒状のものが動いていたり、ワンちゃんが座っていたところに白いゴマのようなものが落ちているのを見ることで発見されます。また、この瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)は人にも感染することがあります。
マダニにはマダニ属、チマダニ属、コイマダニ属など13属、650種以上もいます。バベシア症を媒介するフタトゲチマダニなど多くのマダニは春から夏に活動しますが、野兎病やヘパトゾーン病を媒介するキチマダニは1年中活動しています。そのため、ノミと同様1年を通じての予防が大切です。一般にマダニは公園や河原などの草むらに潜んでいて、散歩の時などにワンちゃんの体にくっついて血を吸います。
多くのマダニは、卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニのサイクルを繰り返しますが、幼ダニ、若ダニ、成ダニすべてのステージで吸血します。幼ダニ、若ダニは成長のために一時的に寄生して吸血し、また地上で生活しますが、成ダニは産卵のために吸血します。成ダニは吸血前はわずか1mmほどの大きさですが、血液を吸うと100倍以上の大きさに体がパンパンに膨らんで、黒いイボのように皮膚に喰い付いています。一匹の雌が産む卵の数は数千個にもなり、卵を産み終えると死にます。
マダニは、卵→幼ダニ→若ダニ→成ダニという形で発育します。
マダニは幼ダニ、若ダニ、成ダニすべてのステージで吸血を行います。
一般的には春から夏に活動を開始し、冬は冬眠していますが、マダニの中には冬でも一年中活動する種類もいますので、一年を通じてマダニ予防することが大切です。
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成ダニ |
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若ダニ |
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卵 |
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幼ダニ |
マダニは自分の体重の100倍以上の血液を吸血します。そのため、大量にマダニが寄生すると貧血を起こすことがあります。
マダニの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こすことがあります。それによって皮膚炎(アレルギー性皮膚炎)を起こします。
バベシア症とは血液中の赤血球にバベシア属の原虫が寄生することにより起こる病気でマダニがその原虫を媒介しており、マダニの吸血時に動物の体内に感染します。日本では犬のバベシア症が一般的で、主に西日本を中心に認められています。主な症状は貧血、発熱、食欲不振、元気消失、黄疸、血色素尿で、重度の場合は数日で死にいたることもあります。治療は非常に困難で完治が望めない場合もあります。猫に寄生するバベシア属の原虫もいますが、現在のところ日本での発生はまだ認められていません。
スピロヘータのボレリア菌の感染が原因で起こる病気で、病原体を持つマダニに吸血されたときに動物の体内に入り感染します。北海道で多く報告されていますが、関西でも報告されています。症状は発熱や全身性麻痺、起立不能、歩行異常がみられます。この病気は人も感染する人畜共通伝染病の1つです。
犬に見られる病気で、Hepatozoon Canisという病原体が原因です。一般にこの病原体を持ったマダニを犬が食べることで感染すると言われています。症状は発熱と衰弱のほか、貧血、下痢、食欲不振、歩行異常、目やに、鼻汁などが認められます。九州地方で比較的多く報告されています。
その他、マダニ介在性疾患としてQ熱、ダニ介在性脳炎、日本紅斑熱が近年人において報告されています。
ノミやマダニの駆除の原則は、まず成虫を駆除することです。成虫に対するお薬にはスポットタイプやスプレー、首輪などいくつかのタイプがありますが、それぞれ効果や使用方法、注意点などに違いがありますので獣医師に相談してその子にあった方法を選択するのがいいと思います。
ノミの場合、いったん成虫を駆除してもじゅうたんや畳の中、部屋の隅など周囲の環境中にはノミの卵や幼虫、さなぎがたくさん存在しています。やがては、これらの予備軍が成長して成虫となり、再びワンちゃんに寄生してしまいます。したがって、再び寄生されないように継続して予防することと成虫だけでなく環境中の『ノミ予備軍』の対策も合わせて行うことが大切です。スポットタイプには成虫のお薬と卵や幼虫の発育を阻止するお薬の両方が入ったものもあります。掃除機をこまめにかけるだけでもすいぶんと違うようです。また、天気のいい日にはワンちゃんが愛用している敷物やクッションを干すのも効果的な方法です。現在、部屋の中ではエアコンや加湿器の影響で一年中繁殖が可能で一年を通して駆除・予防が必要です。
マダニの成虫は皮膚に喰い付いて寄生していますので、見つけたときはむやみに引っ張ると皮膚の中にマダニの頭が残ってしまい化膿することがありますので、うまく取れないときは動物病院で取ってもらうようにしましょう。マダニの中には寒い冬にも活動する種類もいます。ノミと合わせて一年を通して予防するようにしましょう。
以上のことから、確実なノミ・マダニ対策を行うために下記の5点を考慮する必要があると思います。
複数の製剤を併用して上記5点を満たすことも可能ですが、現在ではノミの成虫とマダニの両方を駆除でき、なおかつ卵や幼虫の成長も抑制する成分が入っている製剤(フロントライン・プラス)があり、これを予防的・定期的に使用するのが最も良いと思います。このフロントライン・プラスは、皮膚に薬剤を滴下するスポットタイプで、ワンちゃんもほとんど嫌がりませんし、使いやすく、哺乳類には作用しませんので非常に安全性が高く安心して使用できます。また、シャンプーしてもしっかりと効果は持続しますし、なおかつノミやマダニの吸血を必要とせず駆除できますので、吸血によって起こるノミアレルギーやノミ・マダニ媒介性疾患に感染することもなくなります。ノミ・マダニ駆除剤にはこの製剤以外にも他のスポットタイプやスプレー、首輪など様々なタイプがありますので、獣医師と相談してその子にあった方法を選択するのがいいと思います。
現在、薬局やペットショップなどでもスポットタイプをはじめ首輪など色々なノミ・ダニ駆除剤が販売されていますが、これらは動物医薬部外品で、動物病院で扱っている動物医薬品とは成分や効果、安全性などが異なります。どちらを使用するかは最終的に飼い主さんの判断になりますが、確実に早く駆除するには、病院で薬を処方してもらうのがいいと思います。
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